ピアグレース上本町|予定を入れない休日が、似合う部屋
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- コラム
ピアグレース上本町|予定を入れない休日が、似合う部屋
何もしない日は、部屋の性格がよく分かる
部屋を探すとき、人はそこで何をするかを考える。
どこにベッドを置くか。
どこで食事をするか。
リモートワークの机は置けるか。
けれど、一人暮らしの時間は、いつも目的を持って進むわけではない。
着替えたあと、ベッドの端に座ったまま少し動かない。
コーヒーを淹れたのに、飲みながら何を見るか決めていない。
休日の午後、外へ出るつもりだったのに、結局音楽を聴いて過ごす。
そういう時間は、間取り図には書かれていない。
眠る場所でも、食事をする場所でも、仕事をする場所でもない。何をしてもよいし、何もしなくてもよい余白。
ピアグレース上本町の洋室には、その余白がある。
大阪市天王寺区上汐四丁目。谷町九丁目駅から徒歩5分、大阪上本町駅から徒歩6分。27.75㎡の1Kで、洋室は8.5帖。今回の住戸は15階建ての10階、角部屋に位置する分譲賃貸だ。
華やかな特徴を並べる部屋ではない。
むしろ、この住まいの良さは、何も起きていない時間に見えてくる。
上本町では、出かけることも帰ることも選べる
谷町九丁目と大阪上本町。
二つの駅名を聞くと、まず交通利便性を思い浮かべる人が多いだろう。
Osaka Metro谷町線と千日前線を使える谷町九丁目駅。近鉄線が集まる大阪上本町駅。目的地によって入口を変えられることは、毎日の移動を一つの路線へ縛られないということでもある。
現在公開されている建物情報でも、本物件は谷町九丁目駅、大阪上本町駅、四天王寺前夕陽ヶ丘駅を利用しやすい位置にある。
平日の朝は谷町九丁目駅へ向かう。
休日は大阪上本町駅の方へ歩く。
買い物をしても、食事をしても、徒歩で家へ戻れる。
それでも、この立地の価値は、毎日出かける場所が多いことだけではない。
外へ出ようと思えば、すぐに動ける。
今日は家にいようと思えば、無理に予定を作らなくてよい。
交通の便が悪い場所で家に残ると、「出かけにくいから家にいる」という感覚になりやすい。上本町で家に残る休日は少し違う。
出かける選択肢を持ったまま、出かけない。
午前中に洗濯を終え、昼になっても部屋着のまま。窓際に座り、今日の予定を決めないままコーヒーを飲む。
その時間には、消極的な感じがしない。
ただし、駅前直結の住まいではない。谷町九丁目駅から徒歩5分、大阪上本町駅から徒歩6分という距離は十分に歩きやすいが、雨の日や荷物が多い日は数分の移動を感じることもある。
それでも、繁華な駅前から少しだけ歩くことで、帰宅するまでに気持ちを切り替えられる。
街と部屋の間に、短い余白がある。
白い外観は、街に強く主張しない

外観は白を基調とした縦長の建物で、地上15階建て。
住戸のバルコニーが規則的に積み重なり、低層部には黒い外壁が使われている。上へ伸びる白さと、足元の濃い色が建物全体を引き締めている。
周囲へ大きく張り出した建物ではない。両隣との距離も近く、都市部の敷地を縦に使った形である。
一人暮らしの家に、強い象徴性は必要ないのかもしれない。
帰宅時に見つけやすく、古びた印象がなく、街の中へ静かに収まっている。それくらいの距離感が、毎日にはちょうどよい。
仕事を終えた夜、建物の前まで来る。
外から見れば、多くの窓が並ぶ一棟のマンションにすぎない。
けれど、そのうち一つだけが自分の生活へつながっている。
外観の魅力は、見せるためのものではない。
帰ってきたときに、少し安心できることにある。
弱点を挙げるなら、外観写真では電線が前面を横切り、周辺建物との距離も近い。郊外型マンションのような開放的な敷地や植栽を期待する建物ではない。
その代わり、都市の中に暮らす現実を隠していない。
街を遠くから眺める住まいではなく、街の一部として暮らす住まいである。
共用部で、外の速度を落としていく

エントランス内部には、黒に近い床材と白い石調の壁が使われている。
天井には折り上げ部分があり、照明は強すぎない。郵便受けの並ぶ区画と、エレベーターへ向かう空間が視覚的に分かれている。

仕事帰りにオートロックを通る。
駅や道路では、人の流れに合わせて歩いていた。ここから先は、誰かの速度に合わせなくてよい。
郵便受けを確認し、エレベーターを待つ。
スマートフォンを見てもいいし、ただ階数表示を眺めてもいい。
部屋へ入る前の数十秒で、外側の生活を少しずつ落としていく。
オートロック、防犯カメラ、宅配ボックス、カメラ付きインターホンは物件資料にも記載されている。
ただし、分譲賃貸だからといって、共用部がホテルのように豪華なわけではない。写真から見えるエントランスは、落ち着いて整えられているものの、ラウンジで長時間過ごすような規模ではない。
ここは滞在する共用部ではなく、部屋へ戻るための切り替え地点である。
その役割には、過不足がない。
27.75㎡を、急いで使い切らない

間取りは1K。
玄関から廊下が延び、その途中にキッチン、水回り、収納が並ぶ。突き当たりの扉を開けると、8.5帖の洋室へつながる。
27.75㎡という数字は、一人暮らしには十分な余地がある。ただし、面積のすべてが洋室に使われているわけではない。
玄関があり、廊下があり、独立洗面室があり、トイレと浴室が分かれている。
そのため、洋室へ入った瞬間に圧倒的な広さを感じるタイプではない。
けれど、この面積配分には理由がある。
帰宅してすぐにベッドが見えない。
料理の匂いが寝具へ届きにくい。
洗面や入浴を、生活の中心から切り離せる。
一人暮らしでは、すべてを一室で済ませられることが便利に思える。
実際には、眠る場所に洗濯物があり、食べる場所に仕事道具があり、玄関からベッドまで見えてしまうと、生活の場面を切り替えにくくなる。
この部屋には、狭いながらも「次の場所へ移る」という感覚がある。
朝、洋室の扉を開けて廊下へ出る。
夜、浴室から戻り、再び扉を閉める。
数歩の移動でも、生活の区切りになる。
8.5帖には、家具より先に時間を置きたい

洋室は淡い木目の床と白い壁でまとめられている。
写真では、バルコニー側に大きな掃き出し窓があり、その横の壁面にエアコンが設置されている。室内側にはクローゼットと出入口の扉が並び、側面にも窓が確認できる。

角部屋らしく、開口部が一方向だけではない。
北向きのため、南向き住戸のように強い日差しが長時間差し込む部屋ではない。その一方で、写真では床面に自然光が反射し、室内全体が暗く沈んでいるようには見えない。
この光には、時間を急かさないところがある。
朝、眩しさで目を覚ますというより、部屋の輪郭が少しずつ見えてくる。
休日の午後も、光と影の差が強くなりすぎない。デスクで作業をしても、ソファで映画を見ても、室内の空気が大きく変わらない。
8.5帖あれば、ベッド以外の家具も置ける。
ただ、最初からすべての場所へ役割を与えない方がよい。

ベッド。
小さなテーブル。
仕事用のデスク。
そこで一度暮らしてみる。
朝、どこに光が落ちるか。
夜、どの壁を眺めることが多いか。
床へ座るのか、椅子へ座るのか。
暮らし方が分かってから、必要な家具を一つずつ足していく。
一人暮らしの部屋は、完成させすぎると息苦しくなる。
何を置くか決まっていない床面が少し残っているだけで、部屋は人を急かさなくなる。
デスクを置いても、仕事部屋にはしすぎない
リモートワークをするなら、壁沿いにデスクを置くことができる。
側面の窓に近い位置なら、日中は外の明るさを感じながら作業できそうだ。背景を白い壁にすれば、オンライン会議の画面もまとめやすい。
8.5帖あるため、デスクを置いた瞬間にベッドとの距離がなくなるような窮屈さは避けやすい。
それでも、ここは独立した書斎ではない。
一日の仕事を終えても、机は同じ部屋に残る。パソコンを閉じただけでは、気持ちまで仕事から離れない日もある。
だからこそ、デスクを大きくしすぎない方がよい。
仕事道具は引き出しへ収める。
椅子を机の中へ戻す。
夜はデスクライトを消し、ベッド側の照明へ切り替える。
同じ8.5帖の中でも、光を変えれば時間を分けられる。
毎日リモートワークをする人なら、より広い1DKや1LDKも比較した方がよい。仕事と私生活を完全に分離するには、この1Kだけでは限界がある。
一方、週に数回だけ在宅勤務をする人なら、この広さは現実的だ。
仕事のためだけに一部屋を借りるのではなく、暮らしの中へ小さな仕事場所を置く。
その程度の距離が似合っている。
キッチンは、長い料理より短い習慣のために

キッチンは廊下の一角に収まっている。
濃い木目の扉、ステンレスの天板、シンク、IHコンロ。上部には吊戸棚があり、壁際には水切り用として使えそうなラックが確認できる。
大きなキッチンではない。
まな板を置くと、残る作業スペースは限られる。複数の鍋や食材を広げ、何品も同時に仕上げる料理には向いていない。
それでも、一人分の食事には別の使い方がある。
朝、湯を沸かす。
夜、野菜と肉を一つのフライパンで焼く。
外食が続いた翌日には、味噌汁だけ作る。
一人暮らしの自炊は、毎日立派な料理を完成させることではない。
外食とコンビニの間に、簡単な食事を自分で用意できる日をつくること。その習慣を続けるには、手の届く範囲で作業が完結するコンパクトさも悪くない。
キッチンが洋室から離れているため、調理中の匂いが寝具へ直接届きにくい点も1Kらしい利点だ。
料理が終われば、食器を洗い、洋室へ戻る。
扉を閉めれば、キッチンは視界から消える。食事を終えたあとまで、家事の気配を引きずらずに済む。
本格的な自炊を趣味にする人には不足がある。
だが、短い習慣を守るためのキッチンとして見れば、役割は明確だ。
玄関で、外から持ち帰ったものを減らす

玄関には、腰高よりも大きなシューズボックスがある。
内部は複数の棚へ分かれており、棚板の高さを変えられそうな構造だ。通勤用の靴、スニーカー、サンダルなど、一人分を用途別に収めやすい。
玄関から洋室までは、細い廊下が続く。
開放感を優先した間取りではない。二人がすれ違うような幅もなく、荷物が多い日は少し窮屈に感じるかもしれない。
ただ、一人暮らしでは、この細さが境界になる。
玄関で靴を脱ぐ。
鍵を置く。
郵便物を確認する。
上着やバッグの置き場所を決める。
外で身につけていたものを、できるだけ洋室へ持ち込まない。

シューズボックスの扉を閉め、廊下を進む数歩の間に、仕事の日から自分の夜へ戻っていく。
玄関から室内全体が見えないことは、来客時にも有効だ。
宅配便を受け取るだけなら、ベッドやデスクを見せずに対応できる。一人暮らしの部屋では、この視線の切れ方が思った以上に安心につながる。
クローゼットには、余白を守る役目がある

洋室のクローゼットは、開き戸タイプ。
内部にはハンガーパイプと上部棚が設けられている。コートやシャツを掛け、棚にはバッグや季節用品を置ける。
ただし、ウォークインクローゼットのような奥行きはない。
服が多い人、趣味用品を大量に所有する人、スーツケースや季節家電まで収納内部へ収めたい人には不足する可能性がある。
この部屋をきれいに使うには、収納量に暮らしを合わせる視点も必要だ。
着なくなった服を増やさない。
床に物を置き続けない。
季節ごとに持ち物を見直す。
収納家具を次々に増やせば、8.5帖の余白は簡単に消える。
だから、クローゼットは物を隠す場所であると同時に、自分が持つ量を決める枠にもなる。
扉を閉めたあとの室内には、白い壁と床が残る。
休日の午前、洗濯した服を戻し、クローゼットの扉を閉める。それだけで、部屋の景色が一度整う。
片付けは、きれいに見せるためだけではない。
午後を気持ちよく使うための、短い区切りである。
水回りを、眠る場所から離しておく

この間取りでは、トイレ、浴室、洗面室が洋室の外にまとまっている。
写真で確認できるトイレは、白い壁と明るい床で構成された細長い空間。便器上部には扉付き収納があり、トイレットペーパーや清掃用品を見せずに置ける。
面積には余裕がない。
正面から入って使う、一人用の実用的な広さである。その代わり、日用品を床へ置かずに済めば、視界は散らかりにくい。
浴室そのものの写真はないため、浴槽の形や広さは判断できない。
資料上はバス・トイレ別、独立洗面台、浴室乾燥機、室内洗濯機置場が記載されている。
雨の日は、洗濯物を浴室へ移す。
洋室に物干しを広げないだけで、部屋の使い方は変わる。ベッドの上に乾いた服を積み上げず、床の余白も守りやすい。
一人暮らしでは、家事の量は多くない。
けれど、洗濯物や掃除道具が生活空間へ出たままだと、一部屋しかない分だけ存在感が大きくなる。
家事をする場所と休む場所を離しておけることは、設備の数以上に意味がある。
北向きの窓には、静かな長所がある
バルコニーは北向き。
写真では、掃き出し窓の先に、コンクリート壁で囲まれたバルコニーが確認できる。正面の一部には建物が見え、空が大きく開けた眺望ではない。
10階という階数ではあるものの、今回の写真から遠くまで抜ける景色や夜景を確認することはできない。
眺望を最優先にする人には、現地確認が必要だ。
周囲の建物との距離。
空が見える範囲。
窓を開けたときの音。
バルコニー側から室内がどう見えるか。
一方、北向きには、別の価値がある。
南向きのように、強い日差しが部屋の奥まで入り続けるわけではない。休日の午後も室内の明暗差が大きくなりにくく、カーテンを閉め切らずに過ごしやすい可能性がある。
映画を見る。
パソコンを使う。
音楽を流しながら本を読む。
光を浴びるための部屋ではなく、光に邪魔されず過ごす部屋。
日当たりを最優先にすると、北向きは候補から外れやすい。
けれど、家にいる時間を静かに保ちたい人にとっては、必ずしも明確な欠点ではない。
設備は、予定を増やさないためにある
ピアグレース上本町には、オートロック、宅配ボックス、防犯カメラ、カメラ付きインターホン、エアコン、浴室乾燥機などが備わる。建物はオール電化で、物件資料上はペット相談可能とされている。
設備を一つずつ見ると、単身向けの分譲賃貸として極端に珍しいものではない。
それでも、暮らしの中では小さな自由をつくる。
宅配ボックスがあれば、荷物を受け取るために休日を空けなくてよい。
浴室乾燥機があれば、晴れる日まで洗濯を先延ばしにしなくてよい。
モニター付きインターホンがあれば、玄関を開ける前に相手を確認できる。
エアコンがあれば、帰宅後すぐに自分の温度へ戻せる。
便利さとは、何かを増やすことではない。
待つ時間や、迷う場面や、余計な予定を減らすことでもある。
ただし、月額費用には注意したい。
賃料72,000円、共益費8,000円に加え、スマサポコンシェル月額1,320円が必要。契約時には鍵代やサービス入会金、退去時にはクリーニング費用が設定されている。契約期間は1年間で、更新手数料も必要となる。
表示賃料だけで判断せず、月額費用と入退去時費用を合わせて比較したい。
同じ価格帯の1Kと比べるとき
谷町九丁目駅周辺では、単身向けの1Kやワンルームが複数募集されている。
現在の掲載例では、24.93㎡の1Kが賃料7万円台、管理費を加えると8万円台半ばとなる住戸も確認できる。
ピアグレース上本町は、賃料と共益費を合わせて8万円。専有面積は27.75㎡で、洋室は8.5帖ある。
周辺相場より明確に安いと断定できる物件ではない。
代わりに、同程度の月額負担で比較した際、面積と居室のゆとりを取りやすい点が特徴になる。
このエリアの1Kで一般的なのは、20㎡台前半、洋室6〜7帖程度、バス・トイレ別、独立洗面台、オートロックといった構成である。
ピアグレース上本町で相対的に評価しやすいのは、27㎡超、8.5帖、角部屋、10階、ペット相談という条件の組み合わせだ。
反対に弱い部分は、北向き、コンパクトなキッチン、収納量、更新関連費用である。
どちらが優れているかではない。
日当たりを重視するのか。
収納量を重視するのか。
家具を置いた後の余白を重視するのか。
ペット相談条件が必要なのか。
部屋選びでは、自分が毎日感じることに費用を払った方がよい。
この部屋の場合、その価値は豪華さではなく、一人で過ごす床面を少し多く確保できることにある。
この部屋が向いている人
ピアグレース上本町が合いやすいのは、一人暮らしの部屋を「帰って眠る場所」だけにしたくない人だ。
平日は仕事へ行き、夜は簡単な食事を取る。
週に数日はリモートワークをする。
休日には映画を見たり、音楽を聴いたり、本を読んだりする。
外出だけでなく、自宅で過ごす時間にも居場所が必要な人。
8.5帖あれば、ベッドとデスクを置いても、床面をすべて使い切らずに済む可能性がある。大きな家具を選ばなければ、小さなソファや一人掛けチェアも検討できる。
谷町九丁目駅や大阪上本町駅を利用する会社員にも合う。
駅まで歩ける距離にありながら、駅直結型の建物ではないため、帰宅までの数分で仕事の気分を落としたい人にも向いている。
ペットと暮らせる賃貸マンションを探している単身者にも候補になる。ただし、飼育条件や追加費用は募集時に確認が必要だ。
北向きの柔らかな明るさを好む人、強い日差しが苦手な人、家具や本の日焼けを抑えたい人にも検討しやすい。
この部屋が向いていない人
南向きの強い採光を最優先にする人には向いていない。
北向きで、窓外には周辺建物も見える。朝日や夕日が部屋へ差し込む暮らしを求めるなら、他の方角の住戸を選んだ方が納得しやすい。
料理を趣味にする人にも、キッチンは小さい。
一人分の簡単な調理には使えるが、広い調理台や複数口コンロを求める場合は、1DKや1LDKも比較したい。
服や荷物が多い人は、収納量を慎重に確認する必要がある。
クローゼットとシューズボックスはあるが、室内の余白を維持できるかどうかは、持ち物の量によって変わる。
同棲や二人暮らしにも基本的には合わない。
27.75㎡の1Kは、一人であれば余白を感じられるが、二人で暮らすと眠る、食べる、働くという行為が同じ洋室へ集中する。DINKSや新婚夫婦なら、1LDK以上を選ぶ方が現実的だ。
子どもを含むファミリー向けでもない。
この部屋は、人数を受け止めるためではなく、一人分の時間を整えるための住まいである。
予定のない一日を、失敗にしない
朝、目が覚めても、すぐには起きない。
カーテンの向こうが少し明るくなっている。強い日差しではないから、部屋の時間はゆっくり始まる。
コーヒーを淹れ、窓際へ戻る。
今日は何をするか決めていない。
掃除をするかもしれない。
本を読むかもしれない。
夕方まで外へ出ないかもしれない。
一人暮らしには、誰かと予定を合わせなくてよい自由がある。
同時に、何もしていない時間を無駄だと思ってしまう瞬間もある。
ピアグレース上本町の8.5帖は、その時間を急いで埋めようとしない。
眠るためのベッドがある。
働くための机がある。
それでも、まだ少し床が残っている。
その余白に置けるのは、家具だけではない。
考え事をする時間。
音楽を最後まで聴く時間。
予定を変更する時間。
何もしないまま過ぎていく午後。
谷町九丁目駅まで徒歩5分。大阪上本町駅まで徒歩6分。
出かけようと思えば、すぐに街へ出られる。
それでも今日は、部屋にいる。
その選択を、窮屈に感じさせないこと。
一人暮らしの住まいに必要なのは、便利な設備を増やすことだけではない。
何も決まっていない時間を、そのまま置いておける場所なのかもしれない。